小説とは何か ~その形式と特徴~
皆さんこんにちは✨😃❗
第2回は、小説という文章形態について学んでみたいと思います。きっと、皆さんの理解を助けてくれるはずです。
題材は、坂口安吾の「意慾的創作文章の形式と方法」です。坂口安吾といえば、戦後すぐに出版された「堕落論」という作品が有名ですね。
この文章はもともと現代文のテキストからの抜粋なので、設問を解くために、私が「ここが重要だ」と思った箇所を記しております。これを参考にしつつ読んでみてください。ではまず、本文中の記号の説明をいたします。
・記号の説明
2つの三角形が対になっている砂時計⌛のような形の記号は、「逆の文」を表しており、逆接・対比・否定・条件・逆説などを意味します。
長方形 □ の記号は、「強めの文」を表しており、主張・強調・背景・本質・定義表現を意味します。
三角形 △ の記号は、「まとめの文」を表しており、まとめの接続語・指示語を意味します。
・語句の説明
晦渋する……歪める
畢竟するに……つまり、結局
以上になります。それではどうぞ💁
1.
2.
と、こんな感じです。メインはこの2ページに集約されており、次のページは芸術について述べられています。小説についてはほとんど書かれていませんが、参考までに。
3.
・チャレンジ!
ここで皆さんに、1つだけ設問にチャレンジしてもらいたいと思います。問題はこちら。
ぜひ画像中の書き入れを参考にしつつ、自分なりの解答を作ってみてください。「面倒くさい」と思われるかもしれませんが、これは後の記事内容に繋がる重要な活動なので、チャレンジしてみることをオススメ致します。
・模範解答例
模範解答例はこちらになります。
新海監督や加納氏による、小説執筆の裏側を窺い知れたのではないかと思います。
ここで明らかにしますが、本文および設問は2012年度京都大学文系の入試問題になります。
京都大学の現代文は日本一難しいと言われていますが、その問いは決して煩雑なものではなく、むしろ極めてシンプルであることがお分かりいただけたのではないでしょうか。そして、実際にチャレンジされた後に解答例をご覧になれば分かりますが、解答は全て本文中に書かれていることをまとめたものとなっていますよね(本文の画像と解答例の画像を往復しながら、よ~く見比べてみてください)。
そう、現代文という科目は、個人の考えを解答に書くということは絶対にあり得ません、と言うか行ってはいけません。解答の根拠は、全て本文中にあるのです。現代文とは、本文中の、解答の根拠となる重要ポイントを見つけ出し、論理関係が破綻しないように適切にポイントとポイントを繋いで文にして解答を作っていく科目なのです。すなわち、現代文は情報分析力、情報処理力を測る科目なのです。
(余談)
本をたくさん読んでいる人は現代文が得意だというのは迷信だと思います。確かに背景知識が多い方が有利ではありますが、本を全く読んでいない人でも、現代文は情報分析力、情報処理力を問う科目であると意識しているならば、現代文は高得点を望める科目なのです。一般的には、理系は国語が苦手だと言われていますが、それは彼らが理系的思考脳であるからではなく、数学や理科などの比重が大きいために、国語にあまり目を向けていない(軽視している)からだと私は思っています。
話しが横にそれましたが、このことは次回以降の記事に深く関わってくることなので、頭の片隅に置いておくとよいと思います。
次回から、前回と今回の記事を踏まえて、いよいよ『秒速』の考察を行っていきます。テーマは「なぜ明里は手紙を渡さなかったのか」です。
お疲れ様でした。それではまた次回!👋